日本電産 永守イズムの挑戦
永守重信社長のビジネスの考え方、取り組み方がよく分かります。
何が彼らを駆り立てるのか。すべてとは言えないと思いますが、存在感を持つ経営者は共通してコンプレックスがあるように感じます。
コンプレックスを克服するために、圧倒的執念深さで自己実現を果たしている。だからこそ、その成功が我々にとって痛快であり、心を揺さぶられるものになるのだと思えます。
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1.人の倍働け:
永守社長の哲学や人生観に大きな影響を与えた母親の口癖が「人の二倍働いて成功しないことはない。倍働け」だった。
2.理想だけでは人はついてこない:
この人に着いていったら飯が食えるんじゃないかというような安心感がリーダーには必要である。
3.就職:
小さい頃から社長になるのが夢だった。サラリーマンになってからは、独立してか会社をつくるためには2千万の資金が必要だと考えて、残業代以外はすべて貯金した。誰になんと言われようとも自分の信念を貫くんだという考え方は母親譲りだった。
4.投資の大損で身につけた経営の基本:
5.すぐやる、必ずやる、出来るまでやる:
これがビジネスに対峙するときの基本姿勢。後輩に酒を買わせにやったら、買わずに帰ることを許さなかった。酒屋に譲ってもらってでも必ず買って来させた。こうして基本姿勢を後輩に指導した。
6.経営方針をめぐる相次ぐ衝突:
永守社長はサラリーマン時代、上司と年中衝突した。可愛がってくれた社長はこう言った「永守君、君は静かな海に嵐を持ってくる男だ。君が来るところはいつも波がたつ。これ以上サラリーマン生活は無理だ。自分のやりたい夢があるなら独立したほうがいいんじゃないか?」
7.昼は営業、夜は製造
起業してからというもの仕事を見つけるために昼間は全員が営業に回った。帰ってきてからは製造をした。飯のタネは先行する他社が手を出さないような価格が安くて数量の少ない案件。競争相手の半分の納期で仕事をしますという広告を出した。人の倍働いて納期を半分にすれば、仮に失敗してももう一回チャンスができるのだ。
8.できると思えばできる
難しい案件が入り、技術部隊が音をあげそうになると、永守社長はこう叱咤激励した。「大声でできると100回言ってみい」。「できると思えばできるんや。」そして実際に実現したときにはお客さんと紐付きになっているのだ。また営業マンにも力がつく。クレームがきても紐付きだから他社へ転注もできない。頼られる。しっかりやらないとダメだから品質も高まっていく。
9.人間の能力差は、たかがしれている
こんな会社受かるのが当たり前だと思っている一流大学出身者Aくんと、この会社に入りたくてたまらない五流大学出身者B君くん。入社したらどちらが働くか。Bくんに決まっている。日本電産はBくんを採用してきた。
人間の能力に大差はない。しかし、意識・やる気の差は100倍になる
10.徹底した加点評価
日本電産で責任をとるということは、自分でしでかした損失を、最後まで頑張ってカバーすること。降格もなし、降給もなし、何もなし。チャレンジのないところから決して成功は生まれない。
11.キャッシュフローの大切さを学ぶ
不渡りを経験して決めた基本方針は「受け取った手形は割引しないこと、必ず月商の二ヶ月以上のキャッシュを持つこと。金が要らないときでも短期借入で借りておく。キャッシュを二ヶ月持って、手形が四ヶ月分あれば、どうにかなる。
12.多面的な究極の経営改善手段
3Q6S(quality worker.quality company.quality products)(整理、整頓、清潔、清掃、作法、躾)を徹底すること。たとえば整理整頓ができていると、ものを探す手間が減り、労働時間の質が高まる。すると生産性が向上し、さらには在庫負担も軽減する。
3Qの具体的施策としては、材料・外注費は最終販価格の50%以下。在庫期間は0.4ヶ月以下。従業員が一人当たり100万/月以上の付加価値を生み出すこと。売上高1億円あたり経費は500万以下とした。
13.押しの一手で格上と合弁
力のない企業が成長するためには、アイ・ラブ・ユーの企業愛で執念深く共同事業化を働きかけるしかない。
14.厳しい時期こそチャンス
厳しい時期こそ千載一遇のチャンス。努力を重ねた企業とそれを怠った企業の差はどんどん広がる。
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以上
100円のコーラを1000円で売る方法 著 永井孝尚
ストーリー仕立てのマーケティングの入門書です。
普及の谷(キャズム)の部分に関しては、ティッピングポイントとも関連付けられるのかなと思いました。
わかりやすいので、すぐに自分の仕事に活かせそうです。
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⚫︎製品思考と市場思考
⚫︎顧客満足の式
顧客が感じた価値ー事前期待値=顧客満足。
顧客が感じた価値が100点でも、事前期待値が100点であれば、結局0点である。
⚫︎シェアトップがコストリーダーシップを握る
2000年当時の通信回線市場ではアナログ回線が主流であったが、新技術のISDNが市場に投入されると、既存の通信会社はアナログ回線とは別の回線を引く必要があるISDNに多額の投資をした。そのため、後に、既存のアナログ回線をそのまま使えるADSLが登場した時、躊躇が生まれすぐに切り替えに踏み切れなかった。そこで、この市場に市場価格の半額で思いきって参入し、4年間の赤字に耐えて市場シェアトップを獲得したのがソフトバンクだった。
⚫︎バリュープロポジション
”顧客が望んでいて””競合他社が提供できない””自社が提供できる”価値のこと。弱者はそこにポジショニングすべきである。
⚫︎値引きには納得できる理由が必要
年数百万も買っているお得意様だけを対象に値引いているのであれば納得できる。問題は、お得意様と一見様を区別せずに値引いていることである。
⚫︎バリューセリング
コーラは自動販売機では100円で買えるが、リッツカールトンでは同じコーラが1000円で売っている。それはリッツカールトンがサービスという目に見えない価値を売っているから。これがバリュー セリングである。
コミュニケーション戦略は以下の流れで進めるべし
⑴ターゲットの明確化
⑵目的の決定
⑶コミュニケーションの設定
⑷チャネルの選択
⑸予算確定
⑹コミュニケーションミックスの決定
⚫︎普及の谷(キャズム)
新商品や新技術の導入に対する顧客の性格は以下に分類される。
⑴イノベーター 2.5%
⑵アーリーアダプター 13.5%
⑶アーリーマジョリティ 34%
⑷レイトマジョリティ34%
⑸ラガード 16%
その谷を乗り越えるための方策としては、アーリーアダプターの実績を紹介させていただく代わりに”初年度利用料金を半額にする”などの特典を設けること。
アーリーアダプターの声が世の中に広まるに連れてリスク重視型のアーリーマジョリティも検討を開始するようになる。
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以上
桁外れの結果を出す人は、人が見ていないところで何をしているのか
新入社員の必読書だと思います。
著者の仕事に対する取り組み方の基本は「準備万端、用意周到」。
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⚫︎新しい会社や部署に入ったら、そこにある本と資料を全部読み込む
⚫︎どんな分野でも専門家と対等に話ができるようになる
⚫︎移動中は片端から雑誌を読む
⚫︎人に会う前は、相手のことを徹底的に調べる
⚫︎社内のルールを覚える。分からないことを放置していると人間の行動が抑制される
⚫︎プレゼン前には、手を動かして図やキーワードを書きまくる
⚫︎スポーツでは毎日トレーニングをするのに、仕事ではなぜ何もしないのか
⚫︎誰もやりたがらない仕事にこそ、大きなチャンスがあると見抜く
⚫︎いざチャンスがやってきたとき、パッと掴み取るためには何をやっておくべきかを常に考える
⚫︎出来るだけ心を平穏に保てるように情報収集とトレーニングを怠らない
⚫︎マネジメントやファイナンスの知識はビジネスパーソンとしてより大きな結果を出していくためには不可欠
⚫︎迷ったときは、フレームワークを使って思考を助ける
⚫︎ほんのわずかでも時間があれば、足を運んで人に会う
⚫︎どんなに忙しくても、人からの依頼は断らない
⚫︎変化を起こして大きな結果を出すには、行動し、ときに波風を立てることが必要。
⚫︎より強く「やりたい」「やるべきだ」と思っていることには、より多くの時間を割くようにする
⚫︎意識的に「自分とは関係ないものの優先順位をあげる」ために時間の使い方を意識する。
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起業家の本質 〜ウィルソン・ハーレル〜
「起業家の多くは周囲の人たちとは生まれながらにして異なった性質を持っている。それは自由への希求である。」
というのが本著の基本メッセージです。
本著では人間を(海賊)と(農民)の2種類のタイプに大別し、それを「会社を創る天才=海賊」と、「大企業を経営する人物=農民」に例えています。
また、その両者が同じ人物であってはならないことを理解しなくてはならないと言っています。
海賊は農民のような働きはできないし、農民は海賊にはなれないということを理解しないと失敗するということです。
ただし、ここで重要な事実があります。海賊の中には、農民へ変化できる人物がいて、その変化は企業が成長するに伴って自身を変えていくというプロセスを経るということだそうです。
つまり、起業には圧倒的権限を持ったカリスマ起業家が必要ですが、会社が成長する過程の中で、権限が移譲され政治力が渦巻くようになると、起業家も存在感のない社長に変化せざるをえなくるということです。
本著を読んで感じたことは、海賊的性質を持った人も、大学を卒業して大企業に入社して、ヒエラルキーと政治力の渦に巻き込まれているうちにほとんどが農民へと変化していってしまうのではないかということです。
あるいは耐えきれずに辞めてしまう。
農民は大企業にとっては一番必要な働き手ではありますが、全員が農民で良いのでしょうか?海賊的な働き方を許容できる包容力や仕組みが大企業にも必要なのではないでしょうか?
「独創性」なしにビジネスは長く生き残れません。
そして「独創性」は「自由」なしには存在しえません。
自由への希求を実現できる企業が独創性を生み出し、長く生き残っていくのだろうと思いました。
“検討します”を言わせない営業術
大学を卒業し、営業として働き始めてはやくも満5年が経過しました。
新規営業の手引き書「“検討します”を言わせない営業術'”」です。以下にポイントをまとめます。
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1.営業マンは笑うな、頭下げるな
お客様は買うか買わないかをまだ決めてない。そんなお客様に対する不用意な笑顔は売り込みスタートを暗に知らしめているようなもの。営業に卑屈な作り笑いはいらない。
また、あなたの提供するサービスが素晴らしければ、そもそも頭を下げる必要などない。もしあなたが病に倒れたときはどちらの医者を選ぶか?
A:僕に是非手術させてください。一生懸命やります。手術代も割引ます。
B:確実に病を治すためには時間も費用も必要です。患者さんの待ちもありますが、どうしますか?
2.成功率の計算式
3.ビジネスは長距離走
頑張るときは徹底して頑張る。頑張れないときは徹底してサボる。ビジネスは長距離走。心の水分補給を間違えれば、最後まで走り抜けることはできない。
4.幸運や成功の85%は、人間関係で決まる。
契約を獲得するためには、あなたが提供する商品やサービスの知識は5%にしか過ぎず、残り85%のコミュニケーション能力の方が重要である。営業の役割とは、なぜあなたがそれを薦めるのかを、情熱というコミュニケーションでお客様に伝えること。
4.メリットの先のメリット
セールスで大事なのはお客様に欲しいと動機づけをすること。お客様は商品やサービスを通じて得られるものを買う。伝えるべきは「メリットの先の二次的メリット、三次的メリット。」だから間違っても商品説明から入ることはしてはいけない。
5.テストクロージングをする
「もし仮にA、B、C全ての条件が満たされたとしたらいかがですか?」
あなたのこの問いに対してお客様が「いろいろ検討したいからなんとも言えない」などと答えてきたら、まだ何かしらの懸念事項がある証拠。さらに懸念事項を深掘りしてテストクロージングで契約へのコミットを積み上げていく。
6.使う言葉と理解度への注意
お客様は分からないことをわざわざ聞き返さない。そうすると「よくわからないから結構です。」と断られて終わってしまう。専門用語は決して使わない、お客様が理解しているかどうか随時確認することが大切。
7.昇りやすいステップを用意する
お客様が決断に至るまでの昇りやすいステップは、たくさんあればあるほど効果的である。ステップを昇り続けると、最後の高いハードルをも乗り越えやすくなる。
ex)カタログ請求→電話→面談→展示場見学→既納のお客様の実例見学。
8.テクニック
①お客様のモノマネをする。ミラーリング効果でリラックスさせる。
②お客様にペースをあわせる。呼吸レベルまで合わせるつもりでお客様の言葉が切れたところでうなずく。
③おうむ返しをする。YESを繰り返してもらうことでオープンマインドを実現する。
④話を聴く。聞くではなく、聴くこと。
⑤自分のことをぶっちゃける。お客様に共通点を見つけてもらう。
⑥強みは弱みのように見せる。弱みは乗り越えた失敗談として表現する。
⑦ポジティブな切り返しで、捉え方を変換する。人は自分を肯定する人に信頼を寄せる。
9.お客様の心を丸裸にする
営業マンは、省略された言葉を見逃してはいけない。「もう少し具体的に伺ってもよろしいですか?過去にすでに実施されていますか?」という言葉で全ての事柄を明確にする。
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以上。